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「ご飯のあと甘いもの食べたくなる理由は“別腹”じゃない?夜にお菓子が欲しくなる心理と心の満腹感の正体」

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ご飯のあとに甘いものが欲しくなる夜は、たぶんお腹じゃなくて気持ちの“着地”を探している

寝室の風景

夜、電子レンジの「チン」が鳴って、ひとり分のご飯をテーブルに運ぶ。外は少し冷えていて、窓の向こうの暗さがやけに静かで、部屋の中だけがぬるく明るい。今日もちゃんと食べた、というだけで少し安心するような、でも同時に、ちゃんと食べたはずなのにまだ何かが足りない気もする、あの曖昧な時間が私はけっこう苦手だ。

今日の小さな出来事は、夕飯を食べ終えたあと、流しにお皿を運ぶ前に、冷蔵庫を開けてしまったことだった。別にお腹がすいていたわけじゃない。むしろご飯はちゃんと食べた。ご飯と味噌汁と、作り置きの副菜まで食べて、「ああ、えらいえらい」と自分を雑に褒めてもよさそうな晩ごはんだったのに、そのあとに無意識みたいな顔をして、ヨーグルトの棚とチョコの引き出しを見ていた。

そのとき心の中で浮かんだ、誰にも言わなかった本音は、たぶんこれだと思う。
今日をこのまま終わらせたくない。

甘いものが食べたい、というより、今日の終わりにもうひとつ小さいご褒美を挟まないと、なんだか一日が素っ気なく終わってしまう気がした。ちゃんと働いて、ちゃんと気を遣って、ちゃんと返事もして、ちゃんと疲れて帰ってきたのに、白米とおかずだけで「終了」になるのが、少しだけ寂しかったのだと思う。

「ご飯のあとに甘いものが欲しくなるの、あれ、別腹じゃなくて別人格。」
これ、本当にそうだなと思う。食事中の私はわりと現実的で、栄養とか満足感とか、そういうことを考えているのに、食後に出てくる私は、急に感情で動く。口さみしいというより、気持ちがまだ座っていない。

食卓を片づける前の数分だけ現れる、小さくて面倒くさい、でも妙に切実な別人格。

食後の「甘いもの欲」は、空腹だけでは説明できないらしい

調べてみると、甘いものへの欲求は単純な空腹だけで起こるわけではなく、脳の報酬系や習慣、ストレス、睡眠不足なども関係しうるらしい。甘いものは快感や報酬に関わる脳の仕組みを刺激しやすく、また、精製された糖質中心の食事では血糖の上下が大きくなって、その後の甘いもの欲につながることもあるという。

さらに、睡眠不足やストレスは食欲や糖質欲求に関わるホルモンにも影響しやすいそうで、「食後なのにまだ欲しい」が、意思の弱さだけで片づかないのは少し救いだった。

私が気づいたのは、「甘いものが欲しい」じゃなく「今日の区切りが欲しい」だったこと

ここ、たぶん今まであまり自分のブログでちゃんと触れてこなかった視点だと思う。私はこれまで、何かを食べたくなる理由を、疲れとかストレスとか、あるいは単なる習慣としてまとめがちだった。でも今日、冷蔵庫の前で立ち止まったときに感じたのは、もっと細かくて、もっと言いにくいものだった。

それは、一日をうまく終えられなかった感覚の延長で甘いものを探している、ということ。

食後のデザートって、味覚の問題だけじゃなくて、「ここで一区切り」という儀式みたいな役割があるのかもしれない。仕事が中途半端だった日、人間関係で少し引っかかった日、SNSで見た誰かの順調そうな近況がうっすら残っている日、部屋の隅に洗濯物がまだ畳まれずにある日。

そういう“終わりきっていないもの”が心の中にあると、ご飯だけでは日常が閉じない。だから甘いものの丸い優しさで、無理やり一日を閉じようとする。

わかる…ご飯は食べ終わったのに、気持ちだけがまだ席を立てていない夜、ある。

だから対策も、「我慢」より先に「何を欲しがっているのか」を見たほうがよかった

もちろん、甘いものを絶対に食べるな、みたいな話では全然ない。むしろ私は、甘いものに何度も助けられてきた。コンビニのシュークリームに救われた残業後もあるし、チョコひとかけで人に優しくなれた夜もある。だから敵にしたいわけじゃない。

でも、毎回なんとなく流されるように食べて、「ああ、また食べた」と少しだけ自分にがっかりする流れは、もう少しだけ変えられるかもしれないと思った。

調べた中でも、甘いもの欲を減らすには、食事をたんぱく質や食物繊維を含む形で整えること、水分をとること、睡眠を確保することが役立つとされていた。加えて、完全に禁止するより、何を食べたいのかを一度立ち止まって確かめるのも大切らしい。満腹感や満足感は食べてすぐ脳に伝わるわけではないので、少し間を置くこと自体に意味がある。

今日の私は、チョコをやめて、温かい飲み物を先に入れてみた

それで今日は、チョコをつまむ前に、先に白湯みたいな気持ちで薄いカフェインレスのミルクティーをいれた。正直に言うと、その時点でかなり「いや、そういうことじゃないんだけど」と思っていた。でもマグカップを持ってソファに座ってみたら、欲しかったのが甘さだけじゃなくて、食後の数分を“やわらかく終える時間”だったことに少し気づいた。

もちろん、それで毎回うまくいくとは思わない。たぶん明日は普通にチョコを食べる日もある。でも、今日の変化はそこじゃなかった。
甘いものを欲しがる自分を、だらしないとか意思が弱いとか、そういう言い方で片づけなくてよくなったこと。
「今の私は、糖分そのものより、区切りとか安心とか、小さい祝福が欲しいのかもしれない」と思えたこと。

これはかなり小さな違和感だけど、私の中では案外大きかった。だって、欲求の正体が少し見えるだけで、自分への当たりが少しやわらかくなるからだ。

ちなみに、もし甘いものを選ぶなら、毎回大きく食べるより量を決めて楽しむほうが続けやすいし、追加の砂糖は控えめがよいとされている。アメリカ心臓協会は、女性の追加糖類の目安を1日25g程度までとしている。もちろんお菓子を一切やめる必要はないけれど、無意識に積み上がると、思ったより簡単に超えてしまう数字でもある。

食後に甘いものが欲しくなるのは、たぶん“食い意地”なんかじゃなくて、忙しかった一日を自分なりに回収しようとする、小さな心の動きでもあるのだと思う。だからこそ、毎回お菓子で埋めなくてもいいけれど、毎回我慢だけで黙らせなくてもいい。

今日の私は、甘いものを欲しがる自分の中に、もうひとりのだらしない誰かではなく、ちゃんと着地したがっている自分を見た気がした。

あなたの食後に現れる“別人格”は、ほんとうは何を欲しがっているんだろう。

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