
六月に入ったばかりの夜は、少しだけ空気が重たいです。
エアコンをつけるほどじゃない。でも窓を閉め切ると、なんとなく息苦しい。そんな中途半端な湿気の夜に、私は洗面所で前髪を直していました。
鏡に映る自分の顔を見ながら、「今日もなんか、疲れて見えるな」と思ったのです。
たぶん、誰にも気づかれない程度です。
会社でも「ちゃんとしてるよね」と言われますし、友達からも「いつも綺麗にしてる」と言われます。
でも最近、自分だけは知っているんです。
“夕方になると、なんか顔がにごる問題”を。
しかもそれ、ファンデーションでも美容液でも解決しないことを。
SNSでは、「透明感」「水光肌」「韓国女優肌」みたいな言葉が毎日流れてきます。
だけど本当に気になるのって、もっと地味で、もっと生活感のあることだったりします。
たとえば――
コンビニの冷蔵棚に映った自分の顔が、やけに疲れて見える瞬間とか。
今日は、そんな話を書きます。
植物100%プラセンタサプリ【穂のしずく】“夜のコンビニの冷蔵棚”で、自分の老け方を知ってしまった話
湿気の季節、肌より先に「顔の空気感」が崩れる
六月の夜って、不思議です。
梅雨入り前のぬるい風があって、髪も肌も微妙にまとまらない。
しかも最近は、昼間より夜のほうが自分の顔にショックを受けます。
特に、仕事帰りのコンビニです。
お弁当を選ぼうとして冷蔵棚を見るじゃないですか。
すると、ガラスにうっすら自分の顔が映るんです。
あれ、怖くないですか。
しかも照明が絶妙に現実的なんですよね。
百貨店の鏡みたいな“盛れる光”じゃなくて、
「あなた、今日ちゃんと疲れてますよ」って照明なんです。
私はこの前、その冷蔵棚に映った自分を見て、
「あれ、なんか母親に似てきたかも」と思いました。
別に老けたとかじゃないんです。
でも、“若い頃の疲れ方”と、“30代の疲れ方”って違うんですよね。
20代の頃は寝れば戻った。
でも今は、“生活のクセ”が顔に残る。
塩分を摂りすぎた翌日。
寝る前までスマホを見ていた夜。
なんとなく寂しくてアイスを食べた日。
そういう全部が、顔の空気感になる。
最近の私は、スキンケアより先に、
「この生活、顔に出るんだな」と思うことが増えました。
本当に欲しかったのは美容液じゃなく、“機嫌のいい顔”でした
昔は、美容って“足し算”だと思っていました。
いい化粧水。
高い美容液。
流行りのパック。
もちろん効果はあります。
でも30代に入ってから、なんとなく気づいたんです。
どれだけ高いスキンケアを使っても、
自分の気持ちが荒れてると、顔って荒れるんですよね。
逆に、
よく笑った日とか、
好きな人とLINEした日とか、
お気に入りの服で出かけた日は、
肌の調子まで良く見える。
これ、本当に不思議です。
最近の私は、“綺麗になるための努力”より、
“機嫌よく生きる努力”のほうが大事かもしれないと思っています。
たとえば、
コンビニスイーツを我慢しない日を作るとか。
夜中にちょっとだけラジオを聴くとか。
意味もなく新しいリップを塗るとか。
そういう小さいこと。
でも30代って、
そういう“小さい回復”がないと、
心が静かに乾燥していく気がします。
たぶん私たちは、
美容の情報はたくさん知っているのに、
「自分を甘やかす方法」は意外と知らないんです。
恋愛してない期間、“顔つき”だけが変わっていく気がした
ここだけの話ですが。
私はしばらく、ちゃんと恋愛をしていません。
婚活アプリを開いては閉じ、
「なんか違うかも」と思ってログアウトする夜があります。
別に恋愛したくないわけじゃない。
でも、“誰かに期待して疲れること”に、
少し臆病になってるんですよね。
30代になると、
恋愛ってキラキラだけじゃなくなります。
結婚。
年齢。
生活。
価値観。
いろんな現実が見える。
だからこそ最近、
「恋をしてないと、顔つきが止まる気がする」と思うことがあります。
もちろん、恋愛してない女性が魅力ないなんて全然思いません。
でも、“誰かを好きになりかける時の顔”って、
やっぱり少し特別なんです。
帰り道にスマホを見る回数が増えたり。
コンビニで無意識にメイクを直したり。
新しい下着を買ってみたり。
そういう“自分を意識する瞬間”が、
女性を柔らかくするのかもしれません。
私は最近、それが少し減っていました。
だからなのか、
冷蔵棚に映る顔が、
妙に“生活感”だけ強かったんです。
でも不思議ですよね。
誰かを好きになってる時って、
肌管理より先に、目がキラキラするんですから。
深夜2時、私は“美容のため”に泣いていたわけじゃなかった
この前、夜中の2時に突然泣きました。
理由は本当にくだらなくて。
ネットで見た同世代の女性が、
結婚して、綺麗な家に住んで、
丁寧な朝ごはんを作っていたからです。
それだけ。
でも、その時思ったんです。
私が焦ってたのって、
肌でも年齢でもなかった。
“置いていかれてる感じ”だったんですよね。
30代って、
誰にも急かされてないのに、
勝手に人生を比較してしまう年代です。
しかもSNSって、
幸せな瞬間だけが流れてくる。
だから夜中になると、
自分だけ取り残されてる気がする。
私はその日、
泣きながら洗面所に行って、
冷たい水で顔を洗いました。
そしたら鏡に映った自分が、
思ったより普通の顔をしてたんです。
もっとボロボロかと思ってた。
でも違った。
ちゃんと今日も働いて、
ちゃんと生きて、
ちゃんと疲れてる顔でした。
その瞬間、少しだけ笑ってしまったんです。
ああ、私、
美容のために頑張ってたんじゃなかった。
“誰かに選ばれるため”に、
ずっと綺麗でいようとしてたんだって。
それに気づいた瞬間、
なんだか急に、
冷蔵棚に映る顔が、
少しだけ優しく見えました。
そしてその翌日、
私は思い切って、
ずっと気になっていた美容液を買うのをやめました。
代わりに買ったのは、
駅前の花屋にあった、小さな紫陽花でした。
部屋に帰って飾ったら、
湿気だらけの夜なのに、
空気が少しだけ綺麗になった気がしたんです。
たぶん今の私に必要だったのは、
アンチエイジングじゃなくて、
“季節をちゃんと感じる余裕”だったのかもしれません。
冷蔵棚に映る顔は、
たしかに少し疲れていました。
でもその顔は、
ちゃんと人生を生きてる顔でした。
だから今日は、
少しくらいコンビニスイーツを食べても、
許してあげようと思います。
深夜のプリンくらいで、
人生はそんなに壊れませんから。





